最近は国がマイナンバーカードの取得を推し進めています。
マイナンバーカードを作ると、お買い物に使えるポイントなどを配布するといったキャンペーンもやっています。
国としては預金や医療費などのあらゆる手続きにマイナンバーを紐づけて、一元管理したいという思惑があります。
相続税申告に関しても、マイナンバーを記載する欄があり、マイナンバーと申告情報が紐付けられるかたちになっています。
しかし、中にはマイナンバーを記載することに対して心理的な抵抗をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そこで、今回は相続税申告にマイナンバーが必要かどうかについて解説していきます。
Contents
相続税申告にマイナンバーは必要
結論としては、「相続税の申告をする全員分のマイナンバー」が必要です。
なお、被相続人のマイナンバーについては、亡くなった時点でマイナンバーが失効するので記載は不要です。
実務上はマイナンバーを記載しなくても受理される
原則はマイナンバーの記載が必要ですが、マイナンバーを記載することに心理的な抵抗がある方も多いかと思います。
そこで実務上は、申告書にマイナンバーの記載がなくとも、申告書は税務署で受理してもらえます。
実際に私のお客様の中にも、マイナンバーの記載なしで申告書が受理されている方はいます。
以下の国税庁のQ&Aでも、そのような運用をしていることを記載しています。
「Q2-3-2 申告書等にマイナンバー(個人番号)・法人番号を記載していない場合、税務署等で受理されないのですか。(平成29年9月7日更新)
(答)
税務署等では、社会保障・税番号<マイナンバー>制度に対する国民の理解の浸透には一定の時間を要する点などを考慮し、申告書等にマイナンバー(個人番号)・法人番号の記載がない場合でも受理することとしていますが、マイナンバー(個人番号)・法人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務ですので、正確に記載した上で提出してください。」(国税庁 番号制度概要に関するFAQ)
ただし、マイナンバー制度が普及するまでの実務上の措置であり、法律ではマイナンバーの記載が義務付けられていますので、いずれはマイナンバーの記載が実務上も必須になると思います。
マイナンバーカードを持っていない場合
マイナンバーカードを持っていないという方も多くいらっしゃると思います。
その場合は、以下の書類で自分のマイナンバーを確認することができます。
なお、以下の書類は相続税申告書にも添付します。
マイナンバー通知カード
通知カードは、紙製のカードで住民にマイナンバーをお知らせするものです。
(マイナンバーカード総合サイト 「通知カードについて」)
随分前に、以下のような紙のカードが自宅に届いたという記憶はございませんか。
こちらで自分のマイナンバーを確認することができます。
(総務省「通知カード」より抜粋)
なお、紛失した場合は通知カードの再発行はできません。
紛失した場合は、次の「住民票の写し」でマイナンバーを確認することになります。
住民票の写し
お住まいの市区町村役場で発行してもらえる住民票の写しでもマイナンバーを確認可能です。
なお、住民票の写しの交付申請の際に、マイナンバー(個人番号)を記載して欲しい旨を必ずチェックしましょう。
以下は宇都宮市の住民票の写しの交付申請書ですが、「個人番号」にチェックをつける欄があります。
「個人番号」にチェックを入れないと、マイナンバー(個人番号)が住民票の写しに記載されませんので注意しましょう。
まとめ
相続税申告書のマイナンバー記載について解説いたしました。
法律上は相続税申告書にマイナンバーの記載が義務付けられているので、特別な事情がない限りはマイナンバーを記載したほうがよいでしょう。
ただし現時点においては、マイナンバーの記載がなくとも、相続税申告書は税務署に受理されます。
自分のマイナンバーを把握しているなら義務なので記載する。
一方でマイナンバーを把握しておらず住民票等の取得に時間がかかるようなら、相続税申告書にマイナンバーを記載しなくても何とかなる。
といった温度感で理解していただくと良いかと思います。