組織再編に対して思うこと
合併、分割などの組織再編はうまく使えば、会社のグループ関係も最適化されますし、税務上も大きな恩恵を受けることができます。
特に税務会計の専門家である会計士・税理士の立場から見れば、税務上のメリットを訴求して、お客様に合併や分割を積極的に勧めている先生も中にはいらっしゃるかと思います。
また、組織再編関係の処理はリスクが高い反面、手続報酬も高くなりますので、収益性も高い業務となります。
しかし、税務、会計面だけ見て組織再編を実行した場合に、それに伴う商流の変更や人員配置の変更などで、税務メリット上に経営上で損失を発生するケースもあります。
経営上で発生する諸問題については、外部の専門家である会計士・税理士の立場からはなかなか把握することが難しいです。
会計士・税理士の立場からは、独りよがりになって組織再編スキームを提案するのではなく、お客様にもスキームを理解して頂いた上で、発生するであろう問題をお互いに共有して、スキームの実行に移すことが重要なのだろうと思います。
一方で、お客様の立場からは、会計士・税理士が提案してきたスキームを鵜呑みにするのではなく、自分自身も主体性を持ってスキームを理解し、疑問点などがある場合には積極的に専門家に意見するのが重要だと思います。
以上、業務上思うところがありましたので、記載させていただきました。