第三者の目線で考えることの重要性(税務)

税務の考えを理解するのに重要な視点があります。
それは、何か取引をしようとするときに、見ず知らずの第三者との間でもその取引条件で取引を行うか?、という視点です。
第三者間ではありえないような取引条件で、役員や同族会社の間で取引を行ってしまうと、税務上の問題が発生するケースがほとんどです。

例えば、

法人が本社の土地を役員個人から借りて地代を支払っていたが、業績が悪くなったので地代の支払いを止めた
→業績が悪くなったからといって、第三者間で地代の支払いを止めるでしょうか。おそらく大方の地主さんはそれなら出ていってくれとなるはずです。
この場合、税務上の問題としては、法人が個人から無償で借地権の提供を受けたとして、借地権課税が行われる可能性があります。

役員の個人の飲み代や生活費を、会社の経費にしている
→もし、第三者の従業員が個人的な飲み代や生活費を会社へ経費精算してきた場合に、社長や上司はそれを認めるでしょうか。普通は認めないですよね。
この場合、法人から役員への役員報酬、賞与として課税される可能性があります。

同族のグループ会社の経営が苦しくなってきたので、グループ会社に対する売掛金を免除してあげた
→相当お付き合いの深い取引先なら、第三者であっても売掛金を免除するようなことはあるかもしれませんが、ほとんどのケースは第三者間でこのようなことはしないはずです。
この場合、グループ会社が銀行から経営再建を求められているなどの余程の状況でない限り、グループ会社への売掛金の免除が寄付金として課税されてしまいます。

以上のように、役員や同族会社との間では、第三者間では行わないような取引を実行できてしまいます。
しかし、税務はそれを認めてくれません。
あくまでも、第三者間だったらこうするだろう、という視点に基づいて税務処理を行うのです。
役員や同族会社とは一心同体と考えられている方も多いのですが、税務上はあくまで別の考え方をする、ということをご理解いただけると良いかと思います。

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