税金だけを考えてしまうことの怖さ

税理士の私が言うのはあまり良くないかもしれませんが(笑)、多くの方は税金は少ないに越したことはないはずです。
税金を減らすための方法は色々とあります。しかし、税金を減らすことだけに目がくらんでしまって、もっと大事なことを見失っている方も多いです。
いくつかの例を挙げます。

相続税対策のために、子供や孫に毎年多額の財産を贈与している
税金対策だけ見ると、確かに最適な行動かもしれません。
生前に財産を贈与しておけば、相続時に課税される財産が減少し、相続税の節税に繋がる可能性が高いです。

しかし、子供や孫の人格形成や教育を考えたら、どうでしょうか。
例えば、まだ小学生や中学生の子供が、毎年数百万円の現金の贈与を受けたら、お金の有り難みが薄れていってしまうかもしれません。
実際に、毎年子供たちに財産を贈与しているが、子供たちからありがとうの言葉もない、と嘆いている親御さんのお話もお聞きします。
また、子供が複数人いる場合に、ある一定の子供だけに贈与すると、兄弟間に不平等感を生み、将来の争続の要因にもなってしまいます。

税金対策のために、節税商品を多く購入する
これも税金だけ見ると、確かに節税効果があります。
しかし、購入の際に販売会社から手数料が取られます。
購入の際に取られなくとも、毎月、毎年の管理料や維持費というかたちで費用が発生します。
また、節税額も、購入した商品の金額に税率を乗じた30~40%程度です。裏を返すと、60~70%のお金は会社の外に出てしまっているわけです。

節税商品を販売する会社は、お客様にとにかく商品が販売できれば良いので、節税効果だけにクローズアップして説明をします。
しかし、節税商品を購入する前に、そもそも税金だけではなく、経済的に見てそれが自分にとって得な投資かどうか、判断することが重要だと思います。
節税も出来て、利回りの良い商品などほとんどないはずです。そんなものがあれば、世の上場企業や大企業もこぞって投資しているのでしょうが、節税商品に投資しているような上場会社は、私も何社もの上場会社を監査していましたが、あまり見かけたことはありません。

上記のように、税金を減らしたいという気持ちが強くなり、その他のことに目が届かなくなってしまう方もいらっしゃいます。
しかし、そこは一歩離れて考えてみて、本当にそれは自分にとって良いことなのか、得なことなのか、といったことを判断いただくと良いかと思います。

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