色々な種類がある NISA(ニーサ)制度

 こんにちは!栃木県宇都宮市の会計士・税理士、岸です。

 本日はNISA制度に関して調べる機会がありましたので、ブログ記事でも共有したいと思います。

 つみたてNISAやジュニアNISAなど色々な種類があり、私も調べるまでは正直違いがよくわかっていませんでした。この記事が皆様の整理の参考になれば幸いです。

 なお、金融庁もNISA特設ウェブサイト(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/index.html)というものを開設しておりまして、パンフレットや動画などが数多く掲載されておりますので、あわせてご参照ください。

NISA制度まとめ(~2023年12月)

 早速結論から入ります。現在の各種NISA制度の主要な点を比較した表を作成しましたのでご覧ください。

(2023年12月までのNISA制度概要。金融庁HPを参考に筆者作成。)

 NISA制度は本ブログ執筆日現在、3種類の制度が用意されています。

 2014年の制度開始から用意されている一般NISAは皆様も馴染みがあるかもしれませんが、その後の制度拡充により、つみたてNISA、ジュニアNISAというものも創設されています。

 それぞれの制度で投資対象などに差異が設けられていますが、全ての制度に共通するのは、NISA制度、口座により投資した株式等から発生する配当金、譲渡益に関しては、非課税となるということです。NISAではない一般口座で配当金や譲渡益が発生した場合、20.315%の税率で源泉徴収が行われますので、非課税になるというのは大きなメリットです。

 ただし、この非課税のメリットはあくまでも配当金や譲渡益が生じた場合のみに生じます。したがって、無配を続けている企業や株価の下落が見込まれるような企業の株式をNISA口座で投資してしまいますと、そもそも配当金や譲渡益に係る税金が発生しませんので、非課税のメリットもなくなってしまいます。NISA口座で投資する資産については、安定的に配当を続けている企業や、株価が長期的に値上がることが見込まれる安定企業の株式などを選択すると、非課税のメリットが受けやすくなります。

 なお、3種類も制度はありますが、年齢によって利用できる制度は絞られてきます。

 18歳以上の成年の方は、【一般NISA】か【つみたてNISA】のいずれかを選択して適用します。毎年、どちらの制度を選択するか決定できます。

 18歳未満の未成年の方は、【ジュニアNISA】しか適用できません。注意点としては、ジュニアNISAの口座が開設できるのは2023年中までということです。これは、後述する2024年1月から解する新たなNISA制度の導入に伴い、ジュニアNISAの制度が廃止されてしまうためです。

NISA制度まとめ(2024年1月~)

 現状のNISA制度について説明して参りましたが、2024年1月からまた制度が大きく変わります。

 2024年1月から開始する新たなNISA制度をまとめると以下のとおりです。

(2024年1月からのNISA制度概要。金融庁HPを参考に筆者作成。)
  •  ジュニアNISA制度の廃止

 大きな変化点としては、まずジュニアNISA制度が廃止されます。背景としては、ジュニアNISA制度は原則として投資資産を18歳より前に引き出すことができないといった不便さから、ジュニアNISAの利用者数が少なかったことが原因と言われています。

 しかし、2023年までにジュニアNISAを利用していた人が、2024年1月時点で全て制度終了となってしまうかというと、そうではありません。2023年までにジュニアNISAを利用していた人は経過措置が適用され、2024年1月からジュニアNISA口座で新規投資はできませんが、引き続きジュニアNISA口座の利用はできます。また、2024年1月からの大きな改正点として、従来18歳までの資産の引き出し制限がありましたが、これが撤廃されます。(ただし、全額引き出すなどの一定の要件があります。)

 このように、2023年までにジュニアNISA口座を開設して投資をすれば、2024年1月以降は資産の引き出しに年齢制限がなくなるため、駆け込みでジュニアNISA口座を開設する方が増えているようです。

  • 一般NISA制度の二階建て化

 ざっくり申し上げると、従来の一般NISA制度が【つみたてNISA】+【一般NISA】の複合型となります。

 1階部分(年間20万円)については、従来の【つみたてNISA】と同じようなイメージで捉えていただけれればと思います。投資対象は一定の投資信託等に限定され、長期・積立型の投資を促進するために設けられました。

 2階部分(年間102万円) については、原則として1階部分で積立投資を行った方だけが利用できます。(20万円全ての枠を使い切る必要はなく、一部の枠を利用するだけでOK。)1階部分を利用せず、2階部分だけ利用するということはできません。これは、国民に短期的・投機的な投資よりも、長期的・積立型の投資にもっと興味を持ってもらいたいという趣旨があるからだと思われます。

まとめ

 NISA(ニーサ)制度について、現状と2024年1月からの新制度の概要をご説明いたしました。

 皆様がそれぞれの制度の相違を理解するのにお役立ていただければ幸いです。

 色々と制度が複雑化しているものの、配当金や譲渡益が非課税になるというのは大きなメリットです。制度をうまく活用して、株式投資などの資産形成を行っていただければと思います。

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