国税関係組織と税制改正までの流れ

こんにちは!栃木県宇都宮市の公認会計士・税理士の岸です。
皆様、税制改正にあたって主として関わってくる国の組織はどこか、ご存じでしょうか?
税だから国税庁や税務署じゃないの?と思う方もいるかもしれませんが、実はそうではないのです。
また、税制改正はどのような流れで毎年進んでいくかご存じでしょうか?
偉そうに言っていますが、私自身この記事を書くまで実はよく理解していなかったので、よろしければ一緒に学んでいきましょう!
国税組織について
国税庁のホームページに非常に分かりやすい図がありましたので転載いたします。

実は、税法の企画や立案を行っているのは、国税庁や税務署ではなくて、財務省の主税局というところです。
よく皆さんも名前を聞く国税庁や税務署は、あくまで財務省主税局が企画・立案した税法に基づいて、税金の賦課や徴収を行う組織なのです。
税制改正が行われた際には、財務省主税局の方が各地で改正内容の説明のセミナーや執筆を行っているのを見かけます。最近では制度導入を近くに控えているインボイス制度や電子帳簿保存法の解説セミナーを、各業界団体などと提携して財務省主税局が行っています。
税法の企画や立案、その周知を行っているのが財務省の主税局なのです。
一方で、国税庁や税務署は、出来上がった税法に沿って、税金の賦課、徴収やそのための税務調査といった税法の執行面を任されているのです。
税制改正の流れ
税制改正の流れは以下の表にまとめましたのでご覧ください。

毎年12月頃に税制改正大綱が発表されます。税理士界隈では大綱、大綱と呼ばれ、12月はどのような改正が行われるかの予想で業界がお祭りムードになります。笑
この税制改正大綱の内容がほぼそのまま税制改正法案に落とし込まれ、改正税法となります。したがって、翌年の4月から施行される税法の中身が12月時点の大綱を見ることにより判明するのです。
まとめ
国税組織と税制改正の流れについて簡潔にまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
税制改正の流れや、そこでどのような国の組織の人たちが関わっているかなどを理解すると、税法に関するニュースについてより関心を持って見ることができるようになるかと思います。